スイッチ
メガCD セガ
このゲームは、私たちに、笑いをもたらしてくれます。
笑いといっても、その笑いは、笑点や仮装大賞などが
もたらしてくれる笑いとは方向が決定的に違います。
例えていうなら、三日ほど徹夜仕事をした後に、
何もないのに笑いたくなってしまってどうしようもないときのような、
「あは・・・あはははは」という乾いたひらがなの笑いに似ています。
一言で言うならば、そう、やるせない笑いとでも言いましょうか。
ゲームの内容。とある場面にいます。目の前には煙草の自動販売機。 スイッチは七つ。どのスイッチを押しますか?
1番目。自動販売機の上側が開きます。
自動販売機だと思ったら実は巨大な煙草でした。おわり。
2番目。取り出し口から煙が出てきます。同時に色を失っていく自動販売機。
煙を吐き終えると自動販売機は灰になって崩れ落ちます。おわり。
3番目。取り出し口から青い謎のゲル状の液体が吐き出されます。
同時に聞こえる音。「うげろげろぐぇ」おわり。
4番目。取り出し口からいきなりランプの精っぽい魔人が出てきます。
「みみみょうみょん」謎の音を発しながら魔人はあたりを飛び回って画面外に出ていきます。
おわり。
5番目。上からいきなりモアイが落ちてきて自動販売機を押しつぶします。
そして煙を吐くモアイ。「ぽう、ぽう」おわり。
6番目。自動販売機からハンマー持った手が生えてきます。
その手は自分自身を叩きつぶし自動販売機はスクラップになります。おわり。
7番目。他の場面へワープ。
何言ってるのかわからないかもしれませんが、大丈夫。私にもわかりません。 このゲーム、こんなのばっかりです。というか、正確には、こんなのだけしかありません。 こんなのがメガCDの容量をフルに使って、これでもかこれでもかもうやめてくれもういっぱいだ と泣き叫びたくなるくらい大量に入っています。 なまじグラフィックが書き込まれているだけに、嫌さ加減倍増です。
スイッチの中には、ときどき危険なものも含まれています。
スイッチを押した瞬間、画面は切り替わり、何故か自由の女神。
と思いきや、いきなり爆発。木っ端微塵に吹き飛ぶ女神。暗転。
谷啓の「がちょーん」とともに流れるテロップ。
メタキャラクターも活躍(?)します。
スイッチを押すと、暗転。登場するは天使。でもヘン。
「つかれたらゲームをやめてもいいのよ。でもまた戻ってこなくちゃやーよ」
暗転、登場するは悪魔。やっぱりヘン。
「よお、このゲームつまんねえだろ。とっととやめちまいなよ。あんたもつきあいいいねえ」
暗転、登場するはよくわかんねえ物体。動物と呼ぶのにはかなり抵抗を感じる、
ロマサガ2の河馬人間ばりの変な生命体。
「まだなのかしら。早く来て」
君みたいなのに応援されてもなあ。
そういうキワモノも大量に登場します。
なんかパラノイアの妄想を現実化してしまったかのような世界だ。
そういう突発的、発作的、刹那的な笑いを乗り越え最後まで辿り着くと、 そこに待っているのは最終防衛システム(勝手に命名)何を守っているのか知らないが。 こいつと戦うのですが、やっぱりスイッチです。見事正解のスイッチを押すと、 コンピューターの回路が正常につながって、ゲームクリア、です。 なぜクリアなのかやっぱりわけわかりませんが。
さてこのゲーム、ここで終わりではありません。
見たシーンの数、ギャグの数などがしっかりパーセンテージで記録されているのです。
そう、このゲームのクリア後に待っているのは、
ただひたすら訳の分からないギャグを見続ける苦行なのです。あな恐ろしや。
すべての選択肢を選び、達成度が100%になると何がおこるのか、
私は知りません。いえ、努力はしているのですが、あまりにも選択肢が多すぎて。
ええ、いいわけですが。疲れました。
このゲームのプレイ後に待っているのは、三日ほど徹夜仕事をした後に、 何もないのに笑いたくなってしまってどうしようもないときのような、 絶望的な疲労感です。
みなさんももしこれを入手することができたら、 この絶望渦巻く笑いの世界を堪能してみてください。世界観変わります。
PS2でリメイクされましたが、いつぞやのテロの影響でしょうか、
爆破シーンから、オブジェがウンコまみれになるという
意味不明なシーンに差し替えられてしまいました。
プレイするなら、入手は困難ですが是が非でもメガCD版をお勧めします。