不定期日記2000年10月

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10月5日木曜日 そんなあなたに

 誇大広告だ、JAROに訴えてやる。誰もが一度は思ったことがあるだろう。 そう、激辛ポテトチップスである。
 ポテトチップがジャンクフードと蔑まれながらも 今まで生き延びてきてお菓子の主流であり続けられる理由は これはもうポテチがうまいからだといってよかろう。 さてポテチも薄塩味だけでは飽きられるのかいろいろ新しい味付けをしてくる。 コンソメ味、バーベキュー味、九州醤油味、広島醤油味、東京醤油味、北海道醤油味。 どうでもいいがバーベキュー味ってソース味とどう違うのだろうか。
 そんなものはどうでもよくって今回の問題は激辛である。 とんがらし味とか七味味とかめんたい味とか言っているあれである。 そんなものがあるのかどうかは知りませんが、激辛と自称しているポテチはいっぱいある。 辛いのである。しかも激である。 どのように激辛なのか楽しみにせざるをえないのが人情というものであろう。 しかしである、すこし口にしただけでその楽しみは絶望に変わるのである。 激どころか辛ですらないというとんでもない商品が 平然と激辛の名を付けて売られているのが日本の現状なのである。 そんな失望を抱えて生きてきた辛党の人は数多いことであろう。 ええ、わかってます。辛党が甘党の対義語じゃないってことくらい。 まあ、とにかくそんな辛いもの好きのあなたに朗報です。
 その名はデスレイン。アメリカ生まれのニクいヤツだ。 日本の自称激辛ポテチが全部束になってもかなわない凄い奴だ。
 どのくらいすごいかってーと、一枚食べただけで五分は口中ぴりぴりし、 一袋(56グラム)空けるのに半日と甘甘コーヒーが5杯は必要となるくらいだ。
 おまけにこれを食っているとカプサイシンたっぷりなうえ 舌はやけどし胸焼けなかんじがして食欲がなくなってしまうので ダイエットしたいあなたにも最適なのである。
 てか、絶対これ身体に悪いです。

10月8日日曜日 痛覚

 人間にとってとっても無くなってほしいもので、 なおかつ無ければならないもの、いろいろ上げられると思うが、 その中でもトップクラスの無くなってほしいもの、それは痛覚である。 一部の倒錯した趣味をお持ちの方以外にとっては、痛みは苦痛以外の何者でもない。 当たり前か。まあとにかく痛みというのは嫌なものなのである。
 何故に痛みが無くなってほしいかというと、それは誰しも経験があることであろうが、 それはそれは痛いからなのである。 足の小指を箪笥の角にぶつけるという古典的な話から 爪と肉の間に針を差し入れてぐりぐり〜という拷問まで痛みに関わる話は事欠かない。 もう考えるだけで痛くなってきちゃう、うるうる、というシロモノなのである。
 では何故痛みが人間にとって必要不可欠なものであるのかというと、 それは痛みは人間の持つ生体防御機構のひとつだからなのである。 痛みを感じなければ、背中をばっさり斬られたとしてもそれに気付かず、 そのうち出血多量で死んでしまうかもしれないのである。 だが痛みがあれば斬られた、少なくとも身体に異常があるということに気付き、 手当を受けることによって生き延びることもできるかもしれないのである。
 だが、である。思うのだ。
 そこまで痛くしなくてもよいではないか。
 怪我が元で亡くなる人の中には、出血多量や敗血症などの物理的要因で死ぬだけではなく、 痛みから来る精神的ショックで死ぬ人もいるのだ。
生存のチャンスを増やすはずの痛みが命を奪うのもどうかと思うのである。
 というわけで、私は今、私の命を脅かす頭痛と闘っているのです。 それはそれはもう脳味噌を石臼でごりごり挽かれ煮えたぎった油で揚げられ 誰かの歯で噛み砕かれ咀嚼されるような苦痛なのである。 ぎょうあああ。死ぬるうぅ。

10月12日木曜日 もうちと安くならんものか

 酒は嫌いだがアルコールは好きである。
 正確には、アルコールのもたらす酩酊感、開放感、絶頂感、万能感といったものが好きなのだ。 私にとって酒を飲むという行為は、 それらを得るために我慢して酒を摂取するという行いにほぼ等しい。 ええ、嫌いなのです。酒の味も匂いも嫌なんです。 日本酒飲むと背中に冷たい汗みたいなのが流れるような感覚がします。 ワイン飲むと苦い味が舌に残って耐えられません。 必然的に私の酒の飲み方は、強い酒を一気にあおってもう片手に持っていたカル酎や あまあまカクテルで舌を洗い流すというスタイルになります。 そりゃ宿酔いにもなるし壊れもするわな。
 さて私がまだワインを飲んだことがなかった頃、 といっても20過ぎるまで飲んだことがない模範的青少年だったわけですが、 その頃ワインについて抱いていた幻想がありました。すなわち、ワインは甘い。
 だってワインの原料ってぶどうじゃないですか。 米や芋や麦が原料だったりする他の酒よりよっぽど甘そうな気がするではありませんか。 そんな私の幻想が打ち壊された理由は美味しんぼでした。
「日本酒はどんなに辛いものでもワインより甘い」
 本当ですか?
 本当でした。というか、どっちも辛くて味などわかりゃしない。
 ワインの幻想が打ち砕かれて失意のどん底に沈んでいたのですが、 ある日耳寄りな情報が入ってくる。
「アイスワインは甘いです。あまあまです。」
 しかし何とかとか続いていたような気もするが気にしない。 さっそく買いに行く。発見・・・NO高い!
 他のワインが下はボトル500円からで普通でも2000円くらいだというのに アイスワインたら平気で375mlで5000円とかするし。恐るべし。
 とりあえず一番安いのにする。といっても4000円でしたが。
 帰宅。飲む。うむ、確かに甘い。が、なんというか期待していた甘さと違う。 私が欲していたのはカルピス酎ハイのようなだだ甘なのであって、 それに対してアイスワインの甘さはワインに砂糖をぶち込んだかのような甘さでした。 こんなこと言うと怒られるかもしれませんが。 まあいいか。とりあえず買ったものだし飲んでしまおう。くぴくぴ。くぴく、あ、なくなった。

10月18日水曜日 目指せブルジョア

 いつぞや150グラム1500円のコーヒーを買って 悦に入っていましたが、甘かったです。甘甘です。駄目駄目です。 なんてったって粉です。真の通なら豆を買わねばならんでしょう。 本気で真の通になるならブラジル辺りにコーヒー園を作ることから はじめなければならないかもしれませんが、 さすがにそこまでは気力も愛も金もないということで。 それに150グラム1500円なんてコーヒー一杯で粉10グラム程度ですから一杯100円。 なんと缶コーヒーより安いではありませんか。 スターバックスはおろかヴェローチェよりも安い。このようなことが許されてなるものだろうか。 こうなれば超高級ブルジョワジー目指してやる。
 目指しました。今回は機材からして違います。なにしろコーヒーメーカーがミル付きです。 ベスト電器で一番高かったシロモノです。 本当はボタンひとつでエスプレッソからアメリカンまで自動的に一杯できるという 奴がほしかったのですが、さすがに売ってませんでした。 売っていてもとても手の出る値段じゃなかっただろうけど。
 次は豆です。天神中かけずり回って探してきました。 高い豆って売ってないのね。せいぜい200グラム2500円とかです。 もしかして粉って一見経済的そうで実は高いのか? しかたないのでその一番高いやつを買ってきました。一杯125円か、 ようやく缶コーヒーに勝てる程度である。まあ仕方ない。 さっそく飲んでみよう。スイッチオン、きゅいーんぐぉりぐぉりぐぉりうるせー。 だがこの騒音こそブルジョアジーへの道なのだ。 ちーともそう言う気がせんのはなぜだろう。 そうだ、本物のブルジョアは自分でコーヒーをいれるなんてことは一切しないのだ。 全て召使いにやらせているに違いない。 ブルジョア階級の仲間入りをするにはまず召使いを雇うところからはじめないといけないようである。 そして風呂に入らずして香水をどばどばつけて椅子の下にはおまるを常備してこそ真のブルジョア。 とてもそんな生活耐えられませんわわたくし実家に帰らせていただきますって帰ってどうする。 ブルジョアになるのは諦めたほうがよいようである。
 どうやら現実逃避している間にコーヒーが出来上がったようなので飲む。 うむ、こ、これは、にがー。 機材と値段は進歩しても舌のほうはちーとも進化していなかったようである。とほほ。

10月28日土曜日 バカ再び

「ドラいも〜ん」
「またお前か」
「だってここにはいつも君と僕しかいないじゃないか」
「気色悪いことを言うでない。で、今度は何の頼みだ」
「あのねあのねあのね、聞いてよ。 メールフレンドの女の子がね、今度ボクに会いたいって言うんだよ」
「それで押し倒すのを手伝え、と?」
「だー!前回とちっとも変わってないじゃないか! ちがうよ、そんなもん」
「ほほう、言うたな。ではどうしろというのだ?」
「あのね、ボクを整形してほしいんだ」
「はぁ?」
「だってね、ボクね、シュワルツェネッガーの肉体とディカプリオの顔とホーキングの頭脳と ゲイツの資産を兼ねそえたランボルギーニを乗りまわすナイスガイなんだよ」
「誰だよそれ」
「だからそれがボクの本当の姿なんだよ」
「では今の姿は何なのだ?」
「こ、これは蝶が大空を羽ばたくために 醜く地を這っていたりする幼年時代だったりしたりしなかったりするんだよ」
「だったらとっとと羽化しろよ」
「それにはまだ時期尚早なんだ。 今羽化しても羽の生えたイモムシさ」
「羽化できないだけだろ」
「そうとも言う」
「羽化する気もないだろ」
「そんなことはない。羽化するために日々是鍛錬」
「してないだろ」
「はい。かけらもしてません」
「相変わらず駄目だな」
「駄目だね」
「で、どうするわけだ」
「だから手っとり早く整形してくれってばよ」
「病院に行け」
「そんなお金ないよ」
「いや、精神科のほう」
「どういう意味だ?」
「そのまんまだが」
「そんなこと言わずに助けてよー」
「ではこんなのはどうだ」
「どんなの?」
「まずディカプリオをさらってくる」
「それ以上言わなくていい」
「そして変な顔に整形する」
「変な顔とはなんだ!」
「これで君もディカプリオの顔を持つ男」
「その前に自分整形したほうが早いだろ」
「ついでにシュワルツェネッガーとキン骨マンの身体を交換する」
「キン骨マンってああ見えても私よりよっぽど強いと思うんだけど」
「そしてホーキングの頭脳はちと無理だから頭にハードディスクを埋め込むとして」
「死ぬぞ。てか貴様人の話を全然聞いてないな」
「でもってゲイツからどうにかして資産をかすめ取る、と」
「放っといてもどうにかなりそうな気がするけど」
「そしてランボルギーニだが、そんなこと言う前に免許取れよおまえ」
「うぐ」
「そんなだから携帯買おうとしても身分証明ができないからって断られるんだぞ」
「だって〜お金ないし、めんどくさいしぃ」
「それがいかん。 だいたいお前は昔っからめんどくさいと言っていつも何もしないではないか」
「うぐぅ」
「だから身体も顔も頭も金も駄目なんだよ」
「一部努力ではどうにもならないものが混ざっているのは気のせいか?」
「気のせいだ。毎日の地道な努力こそが自分を高める唯一の道なんだよ。 お前みたいに人に頼ってばっかりでどうにかなるものか」
「そうだね、ボクが間違ってたよ。自分の力で彼女をモノにしてこそ漢なんだね」
「いやあのそれはちょっとちがうような・・・」
「よーしこうなったら今からがんばるぞーそれ腹筋いんいちが一回いんにが二回ぃ」
「・・・今からやっても遅いと思うなあ」
「・・・駄目かな?」
「駄目だろ」
「・・・」
「・・・」



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